和紅茶を使ったアールグレイを飲んだことがあるでしょうか。アールグレイと言えば、紅茶の中でも広く知られており、多くの人が好んで飲んでいるフレーバーティーです。
ダージリンやアッサムと並んで紅茶の代表的存在ですが、和紅茶で作るアールグレイにはどんな魅力があるのでしょうか。
今回は、アールグレイの基本情報と和紅茶との相性についてご紹介します。
アールグレイとは?
まずはアールグレイそのものについて少しおさらいをしておきましょう。アールグレイは、その特徴的な香りで多くの人に親しまれている紅茶ですが、その由来や背景についてはあまり知られていないかもしれません。
アールグレイの名前の由来は、第2代グレイ伯爵チャールズ・グレイに由来すると言われていますが、そのきっかけについては諸説あります。ある説では、グレイ伯が外交官から贈られた中国の着香茶を気に入り、その味を再現するよう茶商に命じたことが始まりとされています。
他にも、中国でグレイ伯が考案したという説や、彼の部下が中国やインドで得た紅茶の製法をイギリスに持ち帰ったという説など、さまざまなエピソードが語られています。
アールグレイの特徴は、その香りにあります。柑橘系の果実であるベルガモットを紅茶に香り付けしたものが一般的なアールグレイですが、ベルガモット以外の柑橘類を使ったものもあります。
これらの香りを付けることで、アールグレイ独特の爽やかさと奥深い味わいが生まれます。ただし、レモンなどの明確な柑橘類は使われないことが多く、複数の柑橘類をブレンドして香りを調整することもあります。
現在市販されているアールグレイは、「ベルガモットを中心とした柑橘類の香りを持つ紅茶」として知られていますが、その背景にはさまざまな工夫が隠されているのです。
和紅茶との相性について
次に、和紅茶を使ったアールグレイについて考えてみましょう。アールグレイにするためには、紅茶にベルガモットをはじめとする柑橘系の香りを加える必要がありますが、すべての紅茶がアールグレイに向いているわけではありません。
和紅茶の特徴を理解し、適切なものを選ばないと、飲みにくい仕上がりになってしまうこともあります。
和紅茶には、以下のように大きく分けて3つのタイプがあります。
- 滋納: 渋みが少なく、旨味が強い紅茶。ストレートで飲むのに適していますが、一般的な紅茶のイメージとは異なるため、紅茶として物足りなさを感じることも。
- 清廉: 香りが華やかで、適度な渋みを持つ紅茶。ストレートティーとして楽しむのに向いています。
- 望蘭: 味や香りが濃厚で、海外の紅茶に近い風味を持つ紅茶。ミルクティーにするとその深い味わいが引き立ちます。
和紅茶の中でも、アールグレイに適しているのは滋納タイプです。滋納の紅茶は味が穏やかで、他のフレーバーと合わせやすい特徴があります。このため、柑橘系の香りを加えてもその風味を邪魔することなく、バランスの取れたアールグレイが完成します。
自作の和紅茶アールグレイを楽しむ
和紅茶を使ってアールグレイを自作するのも、一つの楽しみ方です。ベルガモットオイルを購入し、お手持ちの和紅茶に数滴垂らして香りをつければ、手軽にオリジナルのアールグレイを作ることができます。
ベルガモットオイルだけでなく、スーパーで手に入るグレープフルーツや他の柑橘類を使って、独自のブレンドを楽しんでみるのも面白いかもしれません。
自作のアールグレイは、自分の好みに合わせて調整できる点が魅力です。例えば、香りを強めにしたい場合は、オイルの量を増やすか、香りが馴染むまでしばらく寝かせておくと良いでしょう。
逆に、紅茶の風味を重視したい場合は、香りを控えめにしてみてください。
市販の和紅茶アールグレイもチェック
もちろん、市販されている和紅茶のアールグレイも試してみる価値があります。例えば、東京都東大和市の木下園製茶工場が販売している「東京紅茶アールグレイ」は、ノーワックス・減農薬の国産ベルガモット果皮を使用した一品です。
ベルガモットオイルを使わず、自然な香りを楽しめるのが特徴で、購入直後と時間が経ってからでは香りの印象が変わるため、じっくり味わってみてください。
また、佐賀県の和紅茶専門店「紅葉」が販売している「嬉野アールグレイ」も人気があります。
優しい味わいの和紅茶に、柑橘系の香りを加えることで、奥行きのあるアールグレイに仕上がっています。こちらも毎年多くのファンに愛されている商品です。
最後に
和紅茶を使ったアールグレイは、その柔らかい風味と柑橘系の香りが絶妙に調和した、新しい紅茶の楽しみ方を提案してくれます。
市販の商品を試すのも良いですが、自作のアールグレイで自分だけのオリジナルティーを楽しんでみるのも、また違った楽しみ方ができるでしょう。
まだ試したことがない方は、ぜひ一度和紅茶のアールグレイに挑戦してみてください。紅茶の世界がさらに広がり、豊かな時間を過ごすことができるでしょう。